「脂質」について考察(アブラオオメは悪なのか?)

脂質は炭水化物、タンパク質と並ぶ三大栄養素。
細胞膜やホルモンの構成成分として重要な働きを持ち、体温の保持、内臓の保護をする役割があります。
また、タンパク質や糖質の約2倍のエネルギーをつくり出す事ができ、効率のよいエネルギー源になるため、長距離サイクリングの際にとても重要な…(以下略w)

そんな大事な脂質ですが「中性脂肪」などの言葉で知られるように、心臓病や脳卒中などの健康障害のリスクを高める可能性があるために嫌厭されがちです。
確かに過剰な中性脂肪値の上昇は健康に有害であり、中性脂肪を下げるために医師や保健師が中心となり、必死になってライフスタイルの変更を勧めています。

では、脂肪そのものは「悪」なのか?
改めて考えてみたいと思います。

目次

1)脂質と筋肉の関係

脂質は運動中の筋肉にとって重要なエネルギー源です。
普段は筋肉組織に蓄えられており、グルコースレベルが低くなると分解されエネルギーとして、全身に供給されます。
この時、脂肪が少ないと筋肉組織中のタンパク質が先に分解されてしまい、筋力の低下に繋がる事がわかっています。
また、筋肉を作る際に必要な脂溶性ビタミンの吸収をする際には脂質の存在が欠かせません。
筋肉量が低下すると日常生活に支障が出るだけでなく、怪我や疾患のリスクが増大します。

体脂肪が多すぎると、インスリン抵抗性や炎症を引き起こし、筋肉の成長や回復が損なわれるなど、筋肉に悪影響を及ぼすこともありますが、脂質が不足していても問題になります。

筋肉の機能を最適にするためには、体内の脂質を適切なバランスに保つことが重要です。

2)内臓と筋肉の関係

内臓と筋肉は複雑な関係にあり、完全に解明されているわけではありません。
しかし、各臓器も筋組織で構成されていることを考えると、無関係と考える方が不自然です。

さらに、筋肉の動きが大腸や小腸の不随意運動(腸蠕動運動)を促し、生命活動を維持している点も重要です。

筋肉の健康をサポートするためには、内臓の健康にも気を配ることが大切です。
特に小腸・大腸の動きが悪いと、筋肉を構成するために必要な栄養素を吸収する事が出来ず、不要になったものを排出することもできません。
また、各臓器が活動するエネルギー源としても脂質は必要であり、また各臓器に脂質が蓄えられることにより外部からの衝撃に耐えられる緩衝材の役割もになっています。

筋肉の機能を最適化するためには、健康的でバランスのとれた食事が欠かせず、脂質を極端に排除する…という健康法はおすすめできない理由がここにあります。

3)脂肪と神経伝達物質

さらに脂質は、脳や全身に信号を伝達する神経伝達物質の生成と機能において重要な役割を果たします。
特に必須脂肪酸は、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質の生成に重要であり、認知機能にも関与している事がわかっています。
また気分の調節にも関与していることから、脂質の不足=精神的に不安定になる…という可能性が高くなる事がわかってきています。

また、嫌厭されがちなコレステロールも、神経伝達物質の生成と機能に重要な役割を果たしています。
シナプスの形成や神経伝達物質の放出調節に関与することが明らかにされています。

神経伝達物物質は、筋肉や内蔵の動きに大きく関わり、正常に機能しないと身体に悪影響が出ます。
衝動的に食欲が抑えられなかったり、意図していないのに睡魔に勝てなかったり。
この時、体内では神経伝達物質の活動が乱れている事が多々あります。

4)良質な脂質とは?

ここで注意すべき点が「脂質の質」についてです。
魚、ナッツ類、種子類、アボカドなどに含まれる健康的な脂肪を多く含む食事は、神経伝達物質の生成と機能をサポートするのに役立つとされています。
一方、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む食事は、脳機能や神経伝達物質に悪影響を及ぼす可能性があるとされています。

では「健康に良い」とされる脂肪はどのようなものがあるのか?
主に下記の4つが良質な脂質として挙げられます。

・一価不飽和脂肪
アボカド、オリーブ、ナッツ類などに多く含まれ、心臓病のリスク軽減につながるとされています。
また「豚脂」にも一価不飽和脂肪が含まれているため、アブラオオメも絶対的に悪いものとは言えないかと…(笑)

・多価不飽和脂肪酸
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸が含まれ、脂肪の多い魚、亜麻仁、クルミなどの食品に含まれます。
オメガ3系脂肪酸は心臓病のリスク軽減に、オメガ6系脂肪酸は脳の働きや成長に重要な役割を果たします。

・中鎖型トリグリセリド(MCT)
ココナッツオイル、パームカーネルオイル、全脂肪乳製品に含まれ、他の種類の脂肪よりも吸収率が高く、エネルギーとして利用されやすいのが特徴。

・共役リノール酸(CLA)
牛肉や乳製品に少量含まれる多価不飽和脂肪の一種。
体脂肪の減少や筋肉量の向上に役立つとする研究もあります。

ただし、健康的な脂肪とは言え、バランスの取れた食事と適切な運動の一環として、適量を摂取する事が重要です。
また、上記の脂肪はどの原料でも同じというわけではなく、原料の品質や加工/保管方法によって、その栄養価に影響があることも知っておく必要があります。

5)偏った食事と運動量の少ない生活習慣こそ諸悪の根源

バランスの悪い食事に運動不足が重なると、健康にさまざまな悪影響が出ます。
高カロリーで低栄養の食事は、体重増加、肥満…のみならず、精神面への健康問題に繋がります。
慢性的に疲れが抜けない…という人は、この辺を見直してみると改善のきっかけになる事が多いです。

さらに、運動不足は筋肉の衰えから、各臓器の機能低下、糖尿病などの代謝性疾患や慢性疾患にも繋がります。
精神的な健康を損なうと、うつ病や不安症のリスクを高め、生産性だけでなく生活の質が低下してしまいます。
健康的な生活を維持するためには、栄養価の高い食品を含むバランスのとれた食事と、定期的な運動が大切です。

時にはアブラオオメのラーメンを食べても良いと思いますが、常食すると脂質過多になるのでほどほどで(笑)
ちなみに長距離サイクリングで富良野⇆旭川(約120km)を走ると、約3500calのカロリー消費が見込めます。
体内に溜まってしまった過剰なエネルギーを消費するために、長距離サイクリングに行くのはいかがでしょうか?(茶番w)

6)実践とおまけ

ちなみに藤本の場合、2年で5kgの減量に成功(筋肉量&骨密度を維持した減量→体脂肪のみ減量)しています。
この期間、食生活の改善で「良質の脂を摂取し、糖質を減らす」を特に意識しました。
(それに加えて、積極的に食物繊維と乳酸菌を含む食事、塩分量を控える…などもしていはいます)

もちろん、ラーメンは食べていますが…
・可能な限り良質な背脂を摂る
・麺は大盛りにしない
・味は薄めが基本(血圧が…というより、味の濃いものは食が進むので)
・深夜に食べない
・最大でも週に2回までにする

…などは、自分ルールとして制限を設けてコントロールをしていました。
これを実践するだけでも、体重も維持しつつ、余計なストレスを抱え込まずに過ごせていますw

余談ですが、鍼灸施術で「代謝を促進させる方法」なんてものもあります。(痩せるツボ…とは言いませんw)
これは、内臓の働きを改善する事で基礎代謝を高めたり、老廃物の排出を促進させて代謝機能を改善を狙うものです。
これはあくまでも「代謝を促進させる」ものであり、それ以上に不摂生な生活をされてしまうとどうしようもありませんが…。
ダイエットのブースト/チート的な補助としては活用する事ができたかな?と実感はしていますw

とは言え、まずはバランスの良い食事と適度な運動習慣から始めることが大事かと。
脂質も含めて、3大栄養素を正しく理解して実践する事が、健康維持…のみならず、家族や財産、自分自身の人生を守ることに繋がる…と言っても過言ではないと思います。

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