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腹部打鍼と脳腸相関

・鍼灸における腹部の重要性

数えきれないぐらい多くある鍼灸施術の手法。
その中に「北辰会」が中心になって技術を継承している「夢分流打鍼術」があり、これは刺さないタイプの鍼を使って腹部に対して施術を行います。
(藤本実本人は北辰会に所属はしていません。念の為)

藤本蓮楓先生の書籍を読むと、打鍼の基本的な考え方は
・腹診を行い気血のバランスが崩れている/滞っている場所がどこにあるかを診る。
・腹部の邪(緊張)を探り、その緊張が沈んでいたら浮かせる。
・邪を浮かせて散らす事で、全身に気を巡らせる

という内容が読み取れます。
邪の範囲が広かったり深かったりする場合に特に効果的であり、全身治療を行う上で有効な選択肢になります。

また、流派は違えど「kiiko style」や「積聚治療」「邪気論」など。
腹部に注目した施術法があり、鍼灸施術において腹部の重要視している裏付けていると言えるでしょう。

・内蔵マッサージについて

内臓マッサージは、肝臓、脾臓、腸などの体の内臓や構造をマッサージすることに焦点を当てた徒手療法の一種です。
目的は、内臓の機能の改善と免疫システムの向上。
結果として、全体的な健康を向上させることです。
その技術は、臓器や結合組織の緊張と制限を改善するために適切な圧力と操作を加えて行います。

代表的な手技としては
・按腹(日本)
・チネイザン(中国/タイ)
・内臓マニピュレーション(米国)
があります。

東洋医学的に考えると(チネイザンなど)「腹部は身体のエネルギーの中心」とし、身体的・精神的なさまざまな症状につながると考えます。
疾患や不調の原因となる腹部と内臓に蓄積された肉体的・精神的緊張を解放する目的で、深いマッサージ、優しい揺らし、内臓の操作などを組み合わせて緊張をほぐしていきます。
これらの施術は、消化器系、生殖器系、免疫系の機能の向上に効果が期待され、健康維持や体質改善の手助けとなっています。

・脳腸相関との関連性

脳と身体の関係を「脳・身体相関」といいます。

脳は、五感からの入力を受けて、筋肉や臓器などに指令を出し、体の機能を制御・調整しています。
この脳と身体の間のコミュニケーションを可能にしているのが、脳、脊髄、神経からなる神経系。
特に脳と腸を繋いでいる迷走神経の働きに注目が集まっています。
脳と身体の相関関係は、健康維持に不可欠であり、運動、感覚、感情など、多くの身体的・心理的プロセスの基礎となっています。

最近では「今まで解明されていなかった症状の原因は、腸や内臓の働きにあるのでは?」という仮説に基づき、各国の研究機関が論文を発表していますが…。
それらが「科学的に証明される」以前に洋の東西を問わず伝統医療を継承していた人たちは腹部の重要性を認識していた…と考えると?
感覚的に内臓と脳や身体の相関関係をわかっていたのかもしれません。

・腹部打鍼はなぜ効くのか?

打鍼は「振動療法」の一種と言えます。
振動療法の作用機序は、振動が筋肉を刺激し、収縮と弛緩を繰り返すことで、筋力、柔軟性、血行を改善させます。
一般的に振動療法は、骨粗しょう症、関節炎、腰痛、筋力低下など。
その他、高齢者や神経症状のある人のバランスと協調性を改善するためにも使用され様々な症状の治療に使用されています。

内蔵も筋組織で出来ていると考えると、肩や腰と同じように”コリ”が生じます。
凝り固まった筋組織は血流の悪化や可動域の制限に繋がり、身体のパフォーマンスを落とします。

この振動刺激を使い、広かったり深かったりする「邪」に対して的確に刺激を伝える技術が、打鍼術の基本的な考え方になります。

・最後に

腹部への施術はすべての人に推奨されるわけではないことに留意することが重要です。
施術を受ける前に、鍼灸師および医療専門家に相談することをオススメします。
内臓系の疾患がある方や、手術痕がある方などは特にご注意ください。

また、腹部への施術や各種振動療法(マッサージガンなども含む)は、安全かつ効果的に機器を使用するために、訓練を受けた技術者の指導の下で行うことにも留意してください。

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